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解説[中級]:利用コード貸借の禁止とパスワードの重要性

インターネットの世界では、貴方の利用コードを見ても、 他の人(第三者)は、 貴方の顔、体つき、仕種、声、喋り方などが一切判りません (これを匿名性と言います)。 つまり、貴方が貴方であることを示すのは、唯一「利用コード」だけです。

例えば、利用者Aの利用コードを使って、 利用者BがEメールを送ったりすると、 そのEメールを受け取ったCさんにしてみれば、 そのEメールを出したのが利用者Bだとは思わず、 利用者Aから来たと思うでしょう (匿名性のために、Cさんには確める術がないのです)。

つまり、自分の利用コードをある人に使わすということは、 その人(友達であれ誰であれ)が 「完全に自分と同一の存在である」 ということを認めることになります。

これは、自分の家の鍵を貸すとか、 自分のクレジットカード番号を教えてあげるといった行為とは 比較にならないほど危険な行為です。 現実社会での鍵やクレジットカードならば、 「自分」と「他人」との違いを何らかの手段によって 明らかにすることができます。

例えば、 自分の家の鍵を貸してあげた知人がお金に困って貴方の家具を売り払ったり、 お金を持ち出して行っても、 近所の人に家の出入りをしていた人間の面相を聞いたり、 家具を買った人に顔写真を見せれば、 それをした人が「自分」ではなく「その知人」であることが判ります。 これは、姿・形が「自分」と「知人」で異なるから可能なのです。 クレジットカードにしても、 お店の人に顔写真を見せたり、署名を確認してもらえば、 「自分」と「知人」では顔や筆跡が異なるので、区別することができます。

しかし、もし「知人」が姿形がそっくりで声も一緒なら筆跡も同一、 仕種も何もかも一緒だったら大変なことになります (ドッペルゲンガーを想像してみるといいかもしれません)。 自分は家具を売ってないと主張しても、 家具を買った人にしてみれば貴方の顔は家具を売った人と同一ですから 「確かに貴方に売った」としか言いようがありませんし、 筆跡鑑定しても仕方がありません。 全て貴方がしたことになるのです。

極端な話をすると、 貴方の利用コードを使ってログインした人が 空港の管制システムを破壊して飛行機を墜落させたら、 貴方が犯人にされても仕方がありません。 貴方の利用コードを使ってログインした人が 誰かに中傷誹謗Eメールを送りつければ、 恨みを買って付け狙われるのは貴方になります。

例えば、貴方のつきあっている人に「貴方なんか嫌いだ、バイバイ」 というEメールを貴方の利用コードで送れば、 送られた彼/彼女は貴方からそう言われたとしかまず思わないでしょう。 直接会って誤解を解くことはできても、 そのEメールを貴方が送ったかどうかという点については 確認のしようがありません。

このような観点から、総合情報メディアセンターでは、 他人に利用コードを貸すことも、 他人の利用コードを借りることも禁止しています。 これは管理手続上の規定ではなく、 貴方の身を守るための規定であることをご理解下さい。

そして、 利用コードを利用者本人にしか使えないようにしているものは、 「パスワード」だけなのです。 ですから、パスワードは他人には絶対に教えないようにして下さい。 また、近年はパスワードをプログラムを使って 機械的に発見しようとする手法がすでにあります。 これに対する有効策は頻繁にパスワードを変更することです。 ですから、同一のパスワードを 長期間に渡って使わないようにしてください。



Yoshinari Kameda
2000年02月15日 (火) 22時01分25秒 JST