CIEのrgbと、NTSCのRGBとの関係は式11.1.4で示される。NTSCはテレビ信 号伝送のためにYIQ色座標系を採用し、PALとSECAMはYUV座標系を採用した。Y は白黒テレビで用いられる輝度値であり、IとQ、ないしUとVは色相と彩度を表 す信号である(色相と彩度は色を表している)。人間の感覚は、輝度より色相 と彩度において鈍感である。I,QとU,Vの間には式11.1.5の関係が成り立つ。ま た、RGBから式11.1.6でYIQ,YUVを求められる。
色画像を表す複数の単色画像間には冗長性があるので、色分解の仕方によって 圧縮の効率は大きく変化する。RGB画像とYUV画像が与えられて、白黒画像圧縮 システムを用いたとき、YUVはRGBに比べて2倍ほど圧縮できる。図11.1.4およ びカラー図12参照。
YUV分解では、一般に、U,V信号データをまとめて圧縮するとY信号の半分のサ イズになる。Y,U,V信号を0から255までの整数値にするには、式11.1.7を用い る。しかし、単に圧縮を目指すなら、 simplified color coordinate system LMNが挙げられる(式11.1.8と式11.1.9)し、 equalized color coordinate system EMNもある(式11.1.10と式11.1.11)。これらは圧縮率は YUVと同等であり、計算量が少ない。(図11.1.5参照。)
ビデオ圧縮の標準としては、CCIRが用いられる。RGBととの関係は式 11.1.12及び式11.1.13のように表される。Yは16から235の間の値を取り、 は16から240の間の値を取る。