Kameda,
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実験は人体を対象として行った.モデルは17個の剛体部品からなり,根ノー ドには頭部分が相当する.関節の自由度は合計で40あり,総パッチ数は 7672である.今回の実験では,CGによって合成した人体モデルの画像を入力 とする.この際,関節角度は20度間隔の乱数で発生させた.
今回はマッチング評価基準にシルエット情報のみを利用しているので,姿勢推 定が成功したかどうかの判定は,シルエットと推定結果の投影領域との排他的 論理和Eが0かどうかで行う.
701例に対して実験を行った結果,E=0になったのは472例で あった.姿勢推定に失敗した229例について図1に傾向を示す.横 軸は排他的論理和を画素で表し,縦軸は処理例の数を示している.姿勢推定失 敗は,あるノードがシルエットの一部分をその投影によって構成しているにも 関わらず,その部分以外のシルエットの部分に対応付けられてしまう場合に生 ずる.これについては,の定義および終了判定条件を変更すれば解 決可能であるが,計算量が膨大になる可能性がある.
成功例の一つを図2に示す.成功例でのマッチング処理に要し た処理ノード数の平均は,最大で79であった.なお,実験において は,各ノードiの関節角度候補のサンプリングを20度間 隔で行った.
関節物体の三次元的な姿勢推定という観点から見ると,E=0は必ずしも対象 の姿勢と推定結果が同一であることを保証しない.推定終了時の各ノードi において,関節角度候補が一つ以上残されて いる場合,推定結果が対象画像に対して複数解を有する可能性がある.本実験 では,472個の成功例のうち,95例がこの可能性を有していた.図 3にその一例を挙げる.このようにその関節角度に任意性が残 されたノードについては,少なくともそのノードが他のノードよりカメラ側に 近い場合,輝度画像のエッジ情報などを利用すれば関節角度の推定が可能であ る.