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ここでは、前節で述べた制約条件を利用して、ルート剛体部品の三次元位置を
求める。カメラ方向での位置は既知なので、画像平面と平行な面上での位置が
問題となる。
具体的には、部品位置決定木のルート剛体部品の中心軸の画像内の位置、及び
画像と垂直な方向を軸とする回転角の計三つのパラメータを最初に求め、
次いでルート剛体部品の中心軸の回りの回転パラメータを求める。制約条件か
ら、手指とカメラとの距離は一定であり、その方向での位置を
求める必要はない。それゆえ、スケーリング問題は生じない。
ルート剛体部品の位置決定法を以下で説明する。
- まず、シルエットが画像の端と交わる点から、その輪郭に沿って直線検
出を行う。
- これをシルエットの両側について行い、得られた二本の側線間の中央線
を求める。これがルート剛体部品の中心軸方向となる。
- 両側線の画像中央よりの端点の中点を、ルート剛体部品の中心軸の端と
する(図5)。
- 求めたシルエット上の中心軸に、ルート剛体部品の中心軸の投影が一致す
るように始めの三つのパラメータを計算する。
- 手指モデルでは、ルート剛体部品は楕円錐台であるので、その投影像の
中心軸に沿った輪郭は直線である。これがシルエットの両側線に一致するよう
に回転パラメータを計算する。
step 5では、実際には楕円柱で近似計算し、四つの可能な解を得る。この手指
モデルの位置に対する四つの解各々について、次節の形状推定を行う。
図 5: ルート剛体部品の位置決定
Yoshinari Kameda
1997年04月03日 (木) 20時03分13秒 JST