イベントは、2次元長方形上に存在する画像の3次元立方体上の分布として 定義される。ビデオクリップとは、丁度ピクチャが画像のデジタル化であるよ うに、ある3次元フィルタを用いたイベントのデジタル化である。ゆえに、ピ クチャと画像に違いがないのと同じように、ビデオクリップとイベントにも違 いがないことになる。2次元ディラック関数が画像中の光源であるように、3 次元ディラック関数はビデオクリップ中の瞬間光源を反映する。
スクエアタイルの画像分割は、スクエア立方体のビデオクリップ分割となる。 物体とその占有空間に基づく画像分割は、物体とその時空間内での占有に基づ くビデオクリップ分割となる。4章の4分割木は、ビデオクリップ仕切り (partition)となる。
ビデオクリップ圧縮アルゴリズムは、4章の2次元サンプル符号化器へと簡単 に演繹できる。ビデオクリップフラクタル符号は
で表される。は目的立方体の原点の位置、は参 照立方体の原点の位置、はコントラストスケーリング因子、 はブライトネス調整因子、は立方体対称変形の添字で ある(図10.1.2)。
この表現形式の利点は空間的にも時間的にも解像度独立であることである。 8章の画像強調や補間ツールについてもこのことは言える。
(図10.1.3でx,y,t軸のデータ分布の解説がある。)