Kameda,
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本研究で対象とする手指は、人間の前腕中途から遠位の右手指である。この部 分は、尺骨、橈骨を含めて29個の骨とそれらの間に存在する関節、及び付随す る多数の筋、腱から構成されている。手首も含めて、一般に人間は剛体ではな い。これは、人間が多関節を持ち、なおかつ変形する筋肉を有するからであ る。しかし、筋肉による変形はそれほど大きな変化量を持たないので、関節毎 に人体を分割することを考えると、各部品は剛体であると見なせる。このよう に、手指は幾つかの剛体部品を組み合わせてモデル化することが可能である。
解剖学的な見地からみると、手首を構成する八つの手根骨間に存在する手根間 関節及び手根中央関節は各々が殆んど動かないので、この部位での運動は前腕 と手指間の運動に含めて考えてよい。掌部分に存在する第2、第3、第4、 第5指の中手骨間の中手間関節も殆んど機能しない。また、中手骨と手根骨間 の中手手根間関節も可動範囲が狭い。これらの事実に基づき、四つの中手骨と 八つの手根骨をまとめて一つの剛体部品とする。前腕についても、手首の近傍で は橈骨と尺骨はその位置関係が固定であると見なせるので、一つの剛体部品と 考えることにする。結局、本研究では右手指のモデルを17個の剛体部品で記述 する。