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考察

ここで利用した三次元モデルは、手指を対象として考案したものである。しか し、部品位置決定木で表現できるような変形可能な物体に対しては、本研究方 法はそのまま適用できると考えられる。例えば、人体も、腕、足、胴、頭など に分割すれば、本手法がそのまま適用出来る。各剛体部品の表現方法に制約が ないというのも、応用を行う上で有利である。

一方、現在の手法には、大きく分けて二つの問題点がある。

一つ目は、元の輝度画像と一致しなくても、良好な評価値をもつ結果が得られ てしまうことである。部品位置決定木の探索順序が異なれば、解も変化する。 これは、画像情報の制限を提案し、シルエット画像を用いている以上、三次元 世界と二次元のシルエットの世界とは多対ーの関係にあるので、このこと自体 は不可避の結論である。しかし、同一シルエットに対する可能なパラメータ値 の集合といった形で、シルエット画像からの一対多の解を求めることが望まれ る。

二つ目は、部品位置決定木の構造上の問題である。木構造であるので、親ノー ドの結果が子ノードに影響を及ぼす。すなわち、一旦親ノードが局所的な解に 陥ってしまうと、現在のアルゴリズムでは子ノードでの解が意味のないものと なる。これに対しては、子ノードの剛体部品の投影に対する評価値を導入し、 その評価値が低ければ親ノードの解を改善する枠組が適切であろう。この場合 でも、処理量の増加を抑える必要性がある。



Yoshinari Kameda
1997年04月03日 (木) 20時03分13秒 JST